著者
中出 康一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
生産システム部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.23-24, 2007

古典的在庫問題の1つである新聞売り子問題を基にした供給者と小売の間に契約を結ぶモデルの理論的解析がなされてきた.近年,価格に応じて需要が確率的に変動するモデルにおいて,販売側は自己の利益が最大になるように販売価格と仕入れ量を決定し,生産側は販売側のこのような行動を既知として,卸売り値などを決定する契約モデルの解析が行われるようになってきている.本稿では,残余処理価格(salvage)を考慮したモデルを構築し,上記の状況のもとで生産側や販売側が決定する変数の値を求めるアルゴリズムを与える.個々が最適になるように行動するときの双方の和の利益の値を,全体を最適にするときの利益と比較し,残余処理価格が存在する場合は,その比率が低下することを数値的に示す.