著者
太田 雄大 鈴木 敦夫
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.328-333, 2006-06-01
参考文献数
6

サッカーのペナルティキック(PK)の最適戦略をゲーム理論の基礎的な手法を用いて求める.キッカーとゴールキーパーの利得行列をPKが成功する確率として,混合戦略とゲームの値を線形計画法を用いて計算する.利得行列の計算には,Jリーグ,日本代表の試合中のPKのデータと,ワールドカップなどの試合でのPK戦のデータを用いた.混合戦略は,キッカーは,試合中のPKでは,ゴールの右下方,左下方(キッカーが右利きの場合),PK戦では,それに加えて,ゴール中央を加えたコースをある確率で狙うこととなった.
著者
木下 栄蔵
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.111-115, 2006-02-01
参考文献数
3
被引用文献数
1

2005年度プロ野球セ・リーグのペナントレースは阪神タイガースが厳しい戦いを勝ち抜き優勝しました.本連載の第2回目は, 阪神タイガースの事情にお詳しい木下栄蔵氏に, 打者サイドの3つの指標(OERA値等)と投手サイドの3つの指標(OERA値等)を用いた分析に基づき, 独自の視点からその優勝の要因について解説していただきました.
著者
曽我 謙悟
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.209-214, 2011-04-01

政治学ではこの10年ほどに,時系列・横断面(TSCS)データを用いた分析が急増している.この背景には,理論的な発展,統計分析の手法の発展,そしてデータセットの整備という三つの要因がある.本稿では,これらの三つの要因について検討を加えることで,TSCSデータを用いた分析の現状を捉え,その今後を展望する.
著者
相澤 彰子
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.706-712, 2007-11-01
参考文献数
10
被引用文献数
1

情報を伝達するための文字の並びを「テキスト」と呼ぶ.テキスト中に出現するさまざまな構成要素は,その出現位置によって他の要素と関係づけられている.この要素どうしの関係が織りなす空間はどのようなものになるだろうか?言語処理の分野では,このような空間は「意味」と密接な関係があると考える.そして空間上での距離が近いものは,何らかの意味的な近さをもつという前提のもとに,さまざまな類似度尺度が適用される.本稿では,テキストをめぐるさまざまな「共起」事象について述べ,これらを扱うための統計的手法や適用事例を紹介する.
著者
宮代 隆平 葛西 隆也
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.15-20, 2004-01-01
参考文献数
8
被引用文献数
2

最長片道切符とは, JRで買うことができる片道切符のうち, 経路の長さが最も長いもののことである. 最長片道切符のルートがどのようなものになるかは昔から議論があったが, 決定的な解答は得られていなかった. 筆者らは, 整数計画法を利用してこの問題に対する厳密な最長ルートを与えた. さらに,実際に最長片道切符を購入し, 最長ルートを鉄道で旅行した. 本稿では, 最長片道切符のルートを求めた手法の紹介, および「最長片道旅行記」をお届けする.
著者
荒川 一郎
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.366-372, 2003-05-01
参考文献数
6

医療経済情報の利用方法については,本邦の製薬企業として未だ模索の段階である.数ある選択肢の中で,現段階でもっとも可能性のある活用方法は,マーケティングプロモーションを目的とした個々の製品に関する情報の創生である.しかし,マテリアルの創生に当たっては,意思決定者に対していかに分かりやすく,シンプルにするかが今後の課題となっている.さらに,単なる製品のための情報創生だけではなく,システマティックに疾患を包括した疾病管理の立場から情報の創生が求められてきており,製薬企業も積極的に目を向けなければならないのではないかと考える.
著者
浅原 正幸
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.689-694, 2007-11-01
参考文献数
14

自然言語処理の分野は系列に対するラベル付与(系列ラベリング)問題として解かれるタスクが多くある.例えば,品詞ラベル付け問題は,入力を単語列とし,各単語に品詞を付与する系列ラベリング問題の1つである.このような背景から,教師あり学隙による系列ラベリング技術が多く提案されてきた.本稿では,自然言語処理の分野でどのように系列ラベリング技術が利用されているかを概観するとともに,近年考案された系列全体において最適化を行う構造マッピング法に基づく系列ラベリング手法を紹介する.
著者
林 利充 大澤 義明 小林 隆史
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.5-11, 2009-01-01
被引用文献数
1

日本は世界で最も多い30万種類の苗字を持つ国である.苗字は地域の歴史・風土の影響を受けているため,その世帯数には地域差が存在し地域性の一指標となりうる.本稿では,2005年電話帳データに基づいて,苗字の空間的偏在を把握し,その偏在と人口流動との関係性について報告する.なお,その地域の苗字構成比率と全国の苗字構成比率との比較を用いて偏在性を示し,人口移動データと地利値の概念を用いて人口流動を表した.
著者
安田 洋祐
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.19-24, 2010-01-01
参考文献数
11

電子マネー・ポイントカードの普及や,発行主体の企業戦略を理解するためには,利用者の囲い込み(Lock-In)が鍵となる.この囲い込み現象の分析に欠かせないのが,スイッチングコストという概念,およびゲーム理論の考え方だ.スイッチングコストの経済分析は,この20年ほどで研究が急速に進んだ比較的新しい分野である.本稿では,スイッチングコストの基礎モデルを紹介しながら,電子マネーやポイントカード市場における囲い込み現象について考察する.
著者
多湖 淳
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.215-220, 2011-04-01
参考文献数
18

国際政治学における計量分析の活用は我が国ではまだ限定的であるが,海外では非常に盛んである.学術誌を見ても計量手法の存在感は圧倒的である.この背景には,合理的選択論を軸とする戦争原因研究の理論的進展とそれに影響された他分野の理論研究に計量手法が大きな役割を果たしてきたことがある.ここでは国家間武力紛争,武力行使,同盟と有志連合という三つのトピックについて最近の研究を紹介し,それを通じて代表的なデータセット,分析単位,手法を明らかにしていく.