著者
中原 啓太 籔脇 健司
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.52-60, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
32

要旨:本研究の目的は,地域在住高齢者の健康関連QOLに対して,作業参加,環境因子,運動量がどのように影響するか統計学的に検証することである.対象は,地域活動などに参加している高齢者105名とした.横断研究デザインを用い,先行研究に基づいて作成した仮説モデルを構造方程式モデリングで検討した.結果,最終モデルの適合度は基準を満たし,標準化係数は環境因子から作業参加が0.574,作業参加から健康関連QOLが0.574,運動量から健康関連QOLが0.312となり,全て有意となった.地域在住高齢者の健康関連QOLに対して,環境因子と因果関係にある作業参加を促進することが,運動量のみに焦点を当てるよりも強い影響を与えることが明らかとなった.