著者
中尾 学人 山根 裕司 谷口 圭吾 片寄 正樹
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌保健科学雑誌=SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY SAPPORO JOURNAL OF HELTH SCIENCES = SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY SAPPORO JOURNAL OF HELTH SCIENCES
巻号頁・発行日
no.8, pp.13-20, 2019-03-01

本研究の目的は,ジャックナイフストレッチングの即時効果を脊柱屈曲可動域およびハムストリングスの弾性率に着目して検証することとした。健常男性15名を対象とし,異なる2つの条件(ストレッチング実施条件,コントロール条件)において,立位体前屈における指床間距離(FFD),脊柱屈曲可動域(胸椎,腰椎,骨盤前傾),ハムストリングスの弾性率(大腿二頭筋長頭,半腱様筋,半膜様筋)を条件の前後に測定した。その結果,ストレッチング介入条件では,FFDおよび骨盤前傾可動域は,ストレッチング後に有意に増大し(p < 0.01),ハムストリングスの弾性率は,ストレッチング後に全ての筋で有意に低い値を示した(p < 0.01)。このことから,ジャックナイフストレッチングによりハムストリングスの弾性率が低下することが明らかとなり,FFDの増大および骨盤前傾可動域の増大は,ハムストリングスの弾性低下に起因した可能性が示唆された。