著者
森元 隆文 横山 和樹 池田 望
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌保健科学雑誌=SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY SAPPORO JOURNAL OF HELTH SCIENCES = SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY SAPPORO JOURNAL OF HELTH SCIENCES (ISSN:2186621X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.13-24, 2021-03-01

本研究では,統合失調症に対する作業療法,および作業療法士が実施している心理社会的介入の内容と有効な側面を概観し、今後の実践と研究の方向性を検討するために,英語論文のレビューを実施した。3種類の検索データベースとハンドサーチにて論文を収集し 2 段階のスクリーニングを経た結果,34 編が分析対象となった。その内訳は,「作業活動・作業療法マネジメント」9 編,「手段的日常生活活動訓練」2 編「認知機能リハビリテーション」9 編,「運動療法」2 編,「心理教育・技能訓練」4 編,「就労支援」5 編,「地域生活支援」3 編であった。各介入の主な治療標的に加え精神症状や QOL など様々な側面への効果が示されていたが,特に認知機能は作業療法士による多くの介入で効果を示す重要な治療標的であることが示唆された。さらに,今後の実践や研究で作業に関する指標を扱うことで,作業療法の独自性やさらな効果を示すことにもつながると考える。
著者
中尾 学人 山根 裕司 谷口 圭吾 片寄 正樹
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌保健科学雑誌=SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY SAPPORO JOURNAL OF HELTH SCIENCES = SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY SAPPORO JOURNAL OF HELTH SCIENCES
巻号頁・発行日
no.8, pp.13-20, 2019-03-01

本研究の目的は,ジャックナイフストレッチングの即時効果を脊柱屈曲可動域およびハムストリングスの弾性率に着目して検証することとした。健常男性15名を対象とし,異なる2つの条件(ストレッチング実施条件,コントロール条件)において,立位体前屈における指床間距離(FFD),脊柱屈曲可動域(胸椎,腰椎,骨盤前傾),ハムストリングスの弾性率(大腿二頭筋長頭,半腱様筋,半膜様筋)を条件の前後に測定した。その結果,ストレッチング介入条件では,FFDおよび骨盤前傾可動域は,ストレッチング後に有意に増大し(p < 0.01),ハムストリングスの弾性率は,ストレッチング後に全ての筋で有意に低い値を示した(p < 0.01)。このことから,ジャックナイフストレッチングによりハムストリングスの弾性率が低下することが明らかとなり,FFDの増大および骨盤前傾可動域の増大は,ハムストリングスの弾性低下に起因した可能性が示唆された。