著者
矢吹 信喜 塚本 祥太 中山 一希 福田 知弘 道川 隆士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_26-I_33, 2014 (Released:2015-04-08)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

近年,ビルや家庭に大量のセンサが環境中に設置されるようになりつつある.大量のセンサにより得られたデータを有効活用する手段としてデータマイニングがある.センサデータを用いたデータマイニングにおいては,センサデータ単体からのデータマイニングでは有用な知識の発見は難しく,センサの周辺情報などのコンテクスト情報を加味したデータマイニング手法が有効である.本研究では,コンテクストを活用し大量のデータから有用な知識を発見するためにコンテクストを用いたデータマイニング手法を開発し,さらにビルの省エネルギーに関する知識モデルを開発し,コンテクストを表現するオブジェクトモデルと知識を表現する知識モデルをそれぞれセンサデータモデルと統合した.さらに,統合化したモデルを用いてプロダクションシステムを作成し,建物の省エネルギーに関する知識データを作成した.さらに大阪大学において検証実験を行った.観測データ及び知識データは統合データモデルに従って保存し,データを用いて開発したシステムの検証を行った結果,データの知的処理を実行し,適切な知識が発見できることを確認した.