著者
中島 啓光
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

金属を高濃度で蓄積する地衣類ヤマトキゴケまたはオオキゴケを国内11府県で採集、金属分析を行い、黄砂の影響を調べるための基礎データが得られた。二次代謝物を分析したところ、ヤマトキゴケはCu濃度が高いほど二次代謝物濃度が低く、Cu汚染の影響を受けていることが示唆されたが、オオキゴケにはそのような相関が見られず、二次代謝物へのCu汚染の影響に違いが見られた。また、金属を高濃度で蓄積するコケ植物イワマセンボンゴケの金属分析の結果、Ca濃度とK濃度の間に負の相関関係が見出され、過剰なCaによるK取り込みの抑制が示された。以上から、これらのコケに対する金属汚染の影響についての理解が深まった。