著者
中島 英喜
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、中央銀行が Clarida 等(1998)の政策反応関数をベースとしつつ、金利の下限を意識する状況を考え、金利観測に関する Tobit モデルとこれに基づく代替的な推定量を複数準備した。そして「ゼロ金利政策」の期間を含む日本の時系列標本を使い、ベースとなる政策モデルの推定と診断を行った。その結果、GMM 推定と最尤推定の双方で、回帰残差に対照的なバイアスが認められた。追加分析の結果、これらのバイアスは、分布の打ち切りという技術的問題を超える可能性が示された。そこで、ベースのモデルで仮定した金利平滑化仮説の当否を検証した。この仮定の検証はこれまで困難とされてきたが、金利の下限に着目することで新たな検証が可能になる。この検証により、推定期間における金利の平滑化仮説は極めて強く棄却された。