- 著者
-
新谷 昌之
内藤 勇太
山田 信吾
野村 祐吾
周 勝
中島田 豊
細見 正明
- 出版者
- The Society of Chemical Engineers, Japan
- 雑誌
- 化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.5, pp.539-544, 2008-09-20
- 参考文献数
- 25
- 被引用文献数
-
3
15
残留性有機汚染物質(POPs)として懸念される有機フッ素化合物,ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびペルフルオロオクタン酸(PFOA)のメカノケミカル(MC)処理に注目した.酸化カルシウム(CaO)を反応助剤とし,小型遊星ボールミル(ミル回転数700 rpm)を用いておよそCa/F(mol比)=2でPFOS,PFOAのMC処理を行った結果,どちらの物質とも3時間の処理で80%以上分解することが明らかとなった.処理後は,炭酸カルシウム(CaCO<sub>3</sub>)やフッ化カルシウム(CaF<sub>2</sub>)の生成が確認され,C–F結合やC–C結合の開裂反応によって分解反応が促進することが示された.また,有価なCaF<sub>2</sub>の生成により,マテリアルリサイクルの可能性も見出された.