- 著者
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宮崎 一哉
中嶋 春光
中川路 哲男
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.55, pp.246-247, 1997-09-24
- 被引用文献数
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インターネットの爆発的普及に伴い, その本格的な活用に対する要求が高まるなか, エレクトロニック・コマース(EC)が次代情報通信産業の牽引役として注目されている。とりわけECの対象商品をデジタルデータとする場合, 流通コストの削減効果は絶大であるため, 制作から配布, 利用まですべてネットワーク上で行なえるデジタルコンテンツは, ECにおいて最も有望な商品の一つとみなされている。ところが, デジタルコンテンツには「完全な複製が非常に容易である」という性質があることに起因する問題点を抱えている。これに対処するため, 著作権管理, 課金管理, 不正利用防止という切り口から情報セキュリティ技術を応用した様々な研究が行なわれている。一方, PCの高性能化やオーサリングツールの高機能化により, 専業者から非専業者まで, 計算機の熟練者から非熟練者までと, デジタルコンテンツの制作者の裾野は拡大をつづけている。このことは, コンテンツの配布者や利用者に対して, より弱い立場の制作者が増大することを示しているが, 従来の研究においては, コンテンツの配布者対利用者という視点からのアプローチがほとんどであり, 制作者からの視点に基づいたものがみられなかった。本稿では, 立場の弱い制作者の保護に重点を置いたデジタルコンテンツの配布方式について述べる。