著者
中嶌 剛
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = CHIBA KEIZAI RONSO (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.62, pp.25-50, 2020-06-30

本稿では,就職活動を行う若者の8割程度が入社前に抱くと報告されてきた「何が何でも正社員として就職したい」(労働政策研究・研修機構,2006)という曖昧な進路・目的意識が入社後のキャリア形成に及ぼす影響を推定した。先行研究の理論的考察を通じて8つの仮説を設定し,労働供給側(仮説①・②・③)と労働需要側(仮説④~⑧)の両面から検証を行った。 その結果,労働供給サイドからの「とりあえず正社員」意識に立脚した仮説①・③,および,労働需要サイドの仮説⑥・⑦・⑧が支持され,「とりあえず正社員」意識が必ずしも優柔不断で曖昧な否定的意識として,一面的に捉え切れないことが示唆された。 さらに,就職困難な状況で卒業期を迎える若者が自分を信じて,困難な状況を乗り越えることで就職活動を通じた人間的成長が見込めるばかりか,その間に成熟していく意識は,会社内の良好な職場環境の維持に有効な面があり,人事評価・処遇やキャリア開発支援の充実等の労働需要側の要因によっても,さらに引き伸ばすことが可能な要素となり得ることを見出した。
著者
中嶌 剛
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.23-39, 2013-07-25

本研究は、近い将来、就職活動を控える学生の心理状態に注目し、キャリア教育(キャリア形成支援)を通じて顕在化する潜在意識が、彼らのキャリア形成にとってどのような役割を果たし得るのかを、複数大学(4年制大学、女子大学)の学生の自由記述回答データを用いたテキストマイニング手法により探ったものである。厳しい新卒採用状況下、先行き不透明かつ不安感に満ちた学生心理に立脚した計量テキスト分析により、教育現場おいて、いかなる潜在意識への働きかけが学生の主体的行動にとって重要となるかを明らかにした。こうした結果は、「行動してからようやく物事を理解する」という体験学習が人生を切り拓くヒントになり得ると同時に、潜在意識の有効活用が自己のキャリア形成に寄与することを論じたものである。
著者
中嶌 剛 Tsuyoshi Nakashima 千葉経済大学 CHIBA KEIZAI UNIVERSITY
雑誌
千葉経済論叢 = Chiba keizai ronso (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.48, pp.23-39,

本研究は、近い将来、就職活動を控える学生の心理状態に注目し、キャリア教育(キャリア形成支援)を通じて顕在化する潜在意識が、彼らのキャリア形成にとってどのような役割を果たし得るのかを、複数大学(4年制大学、女子大学)の学生の自由記述回答データを用いたテキストマイニング手法により探ったものである。厳しい新卒採用状況下、先行き不透明かつ不安感に満ちた学生心理に立脚した計量テキスト分析により、教育現場おいて、いかなる潜在意識への働きかけが学生の主体的行動にとって重要となるかを明らかにした。こうした結果は、「行動してからようやく物事を理解する」という体験学習が人生を切り拓くヒントになり得ると同時に、潜在意識の有効活用が自己のキャリア形成に寄与することを論じたものである。