著者
西川 泰治 平木 敬三 合田 四郎 中川 和実 玉暉 宗夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1975, no.9, pp.1479-1484, 1975
被引用文献数
1

水溶液中の単核鉄(III)錯イオンを多核錯イオンから分離する方法として8-キノリノールークロロホルム抽出法を検討した。またこの方法により抽出される鉄(III)のイオン種が単核錯イ=オンであることを,鉄(III)イオンの加水分解反慈における紫外吸収スペクトルの変化および限外源過法による分子量の分画の結果と対比して考察同定した。鉄(III)の加水分解反応における8-キノリノール抽出鉄量は二次反応速度即こしたがう。この反応について25~40。Cの温度域で速度論的検討を行なった。Arrheiusプロヅトから得られた活性化エネルギーとして39.5kcal/mol,活性化自由エネルギーおよび活性化エントロピーとしてそれぞれ16,4kca1/mol,73e.u。([Fe3]:(1.4±0.1)×104mol/1,pH3.40±0.05)なる値を得た。その結果,鉄(巫)の加水分解反応の初期過程においては次式に示す機構を含む反応で進行するものと推定される。