- 著者
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中川 浩之
- 出版者
- 一般社団法人 日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.1, pp.45-54, 1984 (Released:2011-03-02)
- 参考文献数
- 36
- 被引用文献数
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最近10年間の当教室における閉塞性黄疸317例中51例 (16.1%) に消化管出血をみた. 本症は閉塞性黄疸の種々の合併症の中で最も頻度が高く, 死亡率も高い重篤な合併症で, 急性閉塞性化膿性胆管炎などの重症感染症に続発する例が多い. 閉塞性黄疸の術前胃液検査で感染例では塩酸ベタゾール刺激に対する胃分泌反応の遷延傾向がみられた. 一方, 術後胃分泌能は消化管出血例で著明に亢進していた. イヌの胆管結紮後2~3週に胃液量の増加を中心とした胃分泌亢進がみられた. また, 胆管結紮後, 胆管内にエンドトキシンを注入したラットでは20例中11例 (55.0%) に急性多発性胃潰瘍がみられ, 本症の発生機序として胆道感染症の重要性が強く示唆された.