著者
中廣 健治 下村 勉 須曽野 仁志
出版者
三重大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
no.33, pp.93-96, 2013

近年、自閉症を有する人たちにタブレット端末を利用したVOCA(Voice Output Communication Aids)が利用され始めてきている。これは、利用者が伝えたい要求のアイコンをタップすることで、機器が相手に画像と音声で内容を伝えるツールである。これにより、障害によるコミュニケーション不良を軽減するのが目的である。しかし、文字や数の理解が難しい人たちには、収納されたデータ内容を理解しやすくするなどの配慮が必要である。本研究では、児童生徒が伝えようとする内容を教員がパソコンでVOCAデータとして作成した。このようにカスタマイズしたVOCAを用いて授業実践を行ったところ、児童生徒の要望が引き出しやすく、かつ教員間でデータを共有できるので児童生徒の主体的な授業参加や教師による継続支援がしやすいなどの効果が見られた。