著者
中曽根 春菜 北口 紗織
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3+, pp.165, 2020-05-01 (Released:2021-09-06)
参考文献数
2

食べ物の食感に関するオノマトペ(擬態語・擬音語)による色彩連想を検討した.特に菓子の食感に関する9の刺激語(かりかり,ざくざく,ぱりぱり,ふわふわ,もちもち,ぷにぷに,ぷるぷる,とろとろ,しゅわしゅわ)について,色彩印象,単語の印象,連想語を調査した.色彩印象については,被験者にディスプレイ上で各刺激語から連想される1色を調色させた.単語の印象については5段階,15項目のSD法を用いて印象評価を行った.最後に刺激語から連想される語を2語までの自由記述により調査した.得られた色データは分光放射輝度計で測色し,a*b*色度図,L*C*色調図を作成した.その結果,色彩印象は1語(しゅわしゅわ)のみ9割の被験者が類似色相色を連想し,他8語については刺激語ごとに特徴が表れ,全体として3グループに分類された.グループごとの特徴は単語の印象との関連が示唆され,色彩印象と単語の印象の相関を考察したところ,5つの印象項目は色彩印象との相関が確認された.また,いくつかの連想語は刺激語の色彩印象との関連の可能性が示された.