著者
小野 直亮 横山 直己 黄 銘 Md. Altuf-Ul Amin 中本 雅俊 太田 大策
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.110-116, 2017 (Released:2017-08-01)
参考文献数
16

マイクロアレイや次世代シーケンサーを用いた網羅的発現変動解析において、多数の実験条件の組み合わせの中から有意に細胞の表現型に影響を与えているものを見つけ出す必要があり、そのためには分散分析(ANOVA)を始めとする多変量解析のための統計分析手法が必要となる。本研究ではRNA-seqを用いたユーグレナ(Euglena gracilis)の発現解析のデータをもとに、Bayes ANOVAを用いた発現変動解析により代謝経路のなかで有意に変動している遺伝子を抽出するアプローチを紹介する。培養条件の変化(好気環境から嫌気・微好気への変化)及び、増殖フェイズの変化(指数増殖期から定常期への変化)に応答して発現の変動した遺伝子を解析した。置換検定にもとづいてベイズ因子の分布を計算することにより、一般には検出の基準が不明瞭なベイズ因子によるモデル比較に対し、有意水準やFDRによる定量的な検出の基準を与えることを可能にしている。