著者
氏家 弘裕 中村 則雄 佐川 賢
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.82, 2004

はじめに<BR> 文字の視認性や読みやすさは、公共空間における各種サインや家電製品のパネル表示、さらには薬品等の使用説明書など、安全で快適な日常生活を営む上で必要不可欠なものであり、これまでにもさまざまな観点から検討が行われてきた。<BR> しかしながらこれらの検討の多くは、短時間の読みや注視で得られたデータに基づくものであり、例えば長時間わたるコンピューター作業が行われるオフィス環境で、これまでの検討結果を単純に適用するには困難があると思われる。<BR>短時間の読みにおいては、ある程度目立ちによる読みやすさという要素が含まれると思われるが、長時間の読みにおいては、この目立ちの要素が視覚疲労につながり得ると考えられるからである。<BR> 我々のグループはJIS S0032により、日本語文字の視覚表示物に必要な最小サイズを推定する方法を規定したが、長時間の読み作業においては、単に最小の文字サイズだけでなく視覚疲労の観点から読みやすい文字サイズを検討する必要がある。そこで本研究では、長時間の読みにおいて生じる視覚疲労の文字サイズの影響を調べることを目的とする。