著者
楠葉 洋子 橋爪 可織 中根 佳純
出版者
長崎大学
雑誌
保健学研究 (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.19-25, 2012-03

Cancer-chemotherapy Concerns Rating Scale(CCRS)を用いて 外来化学療法を受けているがん患者62名の気がかりとそれをどの程度他者に話しているかについて調査した.気がかりがある人の割合は『病気の進行』に関する項目が最も高く,次いで『社会・経済の見通し』『自己存在』『日常生活の再構成』の順であった.気がかりを話す相手は家族や友人が多かった.「化学療法を継続していく中で自分の役割を案じている」「再発・転移への不安がある」などの自己価値や死を意識しやすい項目では40 〜 50%の人が他者に話していなかった.医師や看護師は患者がこれらの気がかりを克服し治療や生活を継続していけるようサポートしていく必要がある.