著者
中根 悠 佐野 真紀
出版者
愛知教育大学特別支援教育講座・福祉講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.59-65, 2018-03

本研究は,ソーシャルワーク・アセスメントを実践するうえで核となる概念や方法が確立されていないまま,実践方法が展開されているという指摘に基づいて,先行研究の分析を通して現状におけるソーシャルワーク・アセスメントの意義と課題を考察することを目的とした。その結果,ソーシャルワーク・アセスメントの実施者はクライエントの主観的情報を含むあらゆる情報を収集・分析しているが,ケアマネジメントにならって使用されるようになったアセスメントツールでは,主観的な情報を書き起こすことができない,アセスメントを実施する際の援助者の主観をアセスメントツールでは考慮することができないという課題が明らかになった。そのため今後の研究では,アセスメント実施者の「技」の分析が必要になるということが示唆された。