著者
中條 和子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

歯内疾患関連菌であるEnterococcus faecalisおよびBifidobacterium longum、齲蝕病巣からの検出が多く報告されているBifidobacterium dentium の広範囲pH 環境における生物学的特異性ついて検討した。E. faecalis は広範囲なpH に調整したアルギニン含有複合培地で高い増殖を示したことから、糖が供給され難い歯内う蝕病巣や水酸化カルシウム製剤を貼薬してもなお難治性病巣を呈する環境では、E. faecalisが滲出液中のアルギニンなどのアミノ酸を利用して増殖可能であることが示唆された。他方、B. dentiumおよびB. longum は、S. mutansと同等の酸性環境において高い生存率と菌体内pH 維持能をもつことが明らかになった。このことが、酸性環境である歯内病巣、または齲蝕病巣から本菌種がmutans streptococciと共に分離される一因であると考えられた。