著者
中江 花菜
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、近代日本における洋風額縁製造の第一人者である長尾健吉が製作した洋風額縁の着想源・製造法およびその意匠の全容について明らかにするものである。東京藝術大学では、長尾が明治期中葉に東京美術学校に額装・納入した作品を150点超収蔵し、その作品は納入当時の額装を今日まで保っている。これらの作品を研究対象の中心に据え、長尾が西洋製の額縁の意匠や製造技法を取り入れながらも、日本の展示空間や風土に見合う額縁をいかに生み出し、洋画の発展に貢献したかを実証的に検証する。