- 著者
-
中河 真吾
萩野 浩
- 出版者
- The Society of Physical Therapy Science
- 雑誌
- 理学療法科学 (ISSN:13411667)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.1, pp.73-77, 2023 (Released:2023-02-15)
- 参考文献数
- 25
〔目的〕医療従事者を対象に肩こりの関連因子を探索し,肩こりと筋硬度の関連を検討することを目的とした.〔対象と方法〕合計138名の看護師と療法士を研究解析対象とし,アンケートにて,年齢,職務の経験年数,身長,体重,Body Mass Index,肩こりの有無,痛みの部位と程度(VAS)を自記させ,さらに自己効力感(PSEQ)と破局的思考(PCS)とストレスの各有無を調査した.加えて,超音波診断装置を用いて僧帽筋上部線維の筋硬度を測定した.対象者を肩こり有群と肩こり無群に分け,さらに,肩こり有群は,VAS高値群とVAS低値群に分けて2群比較を行った.〔結果〕肩こり無群と比べて,肩こり有群のストレススコアが有意に高かった.PCSスコアは,VAS高値群がVAS低値群より高い結果となったが,筋硬度には2群間で有意な違いはみられなかった.〔結語〕看護師および療法士の肩こりの有無とその痛みの程度は,筋硬度よりストレスや破局的思考といった心因的なものとの関係が強い可能性が考えられた.