著者
中瀬 恵亮 野口 雅久
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.12, pp.2555-2562, 2021-11-20 (Released:2021-11-22)
参考文献数
29

世界中で薬剤耐性(AMR)対策として抗菌薬の適正使用が求められている.痤瘡においては,アクネ菌の異常増殖が増悪因子となるため,抗菌薬治療が行われる.そのため,薬剤耐性アクネ菌が出現・増加し,抗菌薬治療の有効性を低下させている.アクネ菌の薬剤耐性は遺伝子変異が主因であったが,耐性遺伝子の伝播による多剤耐性株が増加しており,薬剤耐性のさらなる拡散が危惧される.薬剤耐性菌の出現と拡大を防止するためには,薬剤耐性アクネ菌の特徴と耐性メカニズムを知り,適切な抗菌薬治療を行う必要がある.