著者
中田 真司 南澤 潔
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.316-320, 2015 (Released:2016-02-09)
参考文献数
32

橘皮枳実生姜湯は金匱要略に胸痺に対する方剤として記載されている。今回,我々は咳嗽に対して本方を投与し奏効した7例を経験した。これらの症例は,咽喉の掻痒感,切れにくい喀痰,喉に乾燥感がない,肌は色白で瑞々しいなどが共通して認められた。橘皮枳実生姜湯は咽喉の掻痒感を伴う咳嗽に対して有用な方剤の1つである可能性が考えられた。