著者
中田 芳樹
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

超短パルスレーザーを用いてナノサイズの金属流体プロセスを瞬間的に誘起し、金属の直立構造が周期的に配列する構造を形成する。今年度は下記の成果を得た。1.装置の改良:前年度に開発した透過型回折格子と縮小光学系を組み合わせたフェムト秒レーザー干渉加工装置に対し、光束毎に位相・振幅を変調する装置を追加した。2.新規ナノ形状の達成:薄膜材料、膜厚、基板、干渉加工条件などをパラメーターとすることにより、下記の成果を得た。これらにより、(1)~(4)の研究目的を達成し、さらに(5)の新規ナノ形状を創製した(1)曲率半径7.5nmの極小ナノウォータードロップの形成(金)(2)最小頂点曲率半径約2nm(平均値5.4nm)の金ナノウィスカーの形成(3)金ナノウィスカーのアスペクト比:約17(4)最小頂点曲率半径約6nmの銀ナノウィスカーの形成、ナノクラウン周囲のナノスパイク頂点曲率半径:7nm、アスペクト比>5(5)位相・振幅変調による「多重周期構造」「倍密度構造」「周期破線構造」の創製本手法は従来のナノマテリアル形成法に対し、「従来に無いナノ形状」「正確な周期構造の自動生成」「素材の自由度」「加工速度」「大面積一括加工」等の点で優れており、ナノテクノロジーやメタマテリアルなどのナノマテリアル応用分野全般において新しい応用が期待できる。