著者
神原 知佐子 野村 希代子 中磯 知美 岡 壽子 杉山 寿美
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.320-329, 2021-10-01 (Released:2021-11-24)
参考文献数
22

【目的】医療施設における栄養管理において,管理栄養士・栄養士がどのような目的と意識を持って治療食献立に牛乳を組み込んでいるのかを明らかにするために治療食献立への牛乳の使用実態を調査した。【方法】関東・関西・中国・四国地方の200床以上の医療施設967施設に,常食,糖尿病食,腎臓病食,高血圧症食,高中性脂肪血症食,高コレステロール血症食における牛乳使用を郵送による無記名紙面自記式アンケート調査を行った。【結果】234施設から回答を得た(回収率24.2%)。牛乳は毎日朝食時に提供されることが多く,その理由として「院内約束食事箋の栄養基準に適合させるため」「その時間での摂取が一般的」「その時間の食事の栄養量が少ない」「その時間の食事の品数が少ない」が多く回答された。また,管理栄養士・栄養士は,献立作成や栄養教育の場面では,嗜好性よりも牛乳に含まれる栄養素の量を優先していた。しかし,患者からの要望への対処方法としては「代替食品を利用する」との回答が多く,「牛乳提供の理由を説明する」は少なかった。【結論】医療施設の管理栄養士・栄養士は,牛乳に含まれる栄養素を患者に摂取させるために,治療食献立に牛乳を組み込んでいた。患者個人の嗜好に配慮した場合には,栄養学的な役割を患者に説明することは少なく,牛乳でない代替食品を提供していた。