著者
大枝 良直 角 知憲 中西 啓造 椿 辰治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.555, pp.83-90, 1997
被引用文献数
2

本研究では, 業務を目的とした航空旅客の出発時刻選択行動のモデルを提案する. 長距離業務交通では, 業務の開始時刻を規定されている. 旅客はこの時刻に合わせて旅行のスケジュールを決定することが多い. この行動が長距離交通の時間的変動を支配し, 高速交通機関の選択行動に影響を与えると考えられる. 提案するモデルは, 到着指定時刻に対し, 当日の航空便を選択するモデルとその前日の航空便を選択するモデルの2つからなる. これらのモデルは行動時刻に対して人が日常の生活パターンの中で感じる不都合の度合いを非効用の概念で与えている. モデルを千歳発東京着の航空路線に適用し再現性を確認した. このモデルにより, 交通所要時間の変化や空港の運用時間の変化に対する旅客の行動を予測することができる.