著者
金澤 慈 進藤 隆彦 陳 明晨 中西 泰彦 中村 浩崇
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.11, pp.308-314, 2022-11-01

近年の急激な高速化の流れに対応すべく,1波長あたりの速度が100 Gbit/sを越える動作が可能な光送信器が求められてきた.100 Gbit/sを越える動作を実現するためには従来のワイヤ実装ではワイヤのもつ寄生インダクタンスによる帯域劣化が課題であった.そこで,ワイヤ不要となるフリップチップ接続技術と光デバイスと実装部材を一体で設計する技術を組み合わせた実装技術(Hi-FIT)を開発し,本技術を電界吸収型光変調器集積DFBレーザ(EADFBレーザ)モジュールに適用することで,214 Gbit/s動作を実現した.また,高速化に伴って10km超級伝送を実現するためには光出力パワーの向上も併せて求められてきたが,高速動作が可能な光アクティブデバイスとして従来用いられてきたEADFBレーザでは光出力の不足が課題であった.そこで我々は半導体光増幅器(SOA)をEADFBレーザチップに集積したデバイス(AXEL)を開発し,受信器としてアバランシェフォトダイオード(APD)を用いることで,106 Gbit/s信号の60km伝送を実現した.Hi-FITとAXELは100 Gbit/s超級動作高出力光送信器のキー技術として期待される.