著者
中西 美保 福井 聖 北川 裕利
出版者
一般社団法人 日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.154-162, 2021-09-30 (Released:2021-10-22)
参考文献数
25

In recent years, numerous studies have reported the clinical utility of Japanese herbal medicines for pain diseases, and their demand is increasing. However, it is difficult to conduct basic research on these medicines because Japanese herbal treatments are multi­component systems, composed of herbal medicines with multiple actions. Hence, scientif­ic elucidation of their pharmaceutical mechanisms is complicated.Here, we have outlined studies indicating the use of on Goshajinkigan (GJG) in relieving neuropathic pain. Furthermore, efforts have been made to elucidate the underly­ing analgesic mechanisms. Basic research on GJG has primarily explored strepto­zotocin–induced diabetic neuropathy models and chemotherapy–induced neuro­pathy models. We have demonstrated that GJG is also valuable in the choronic constrictive injury (CCI) models and that its analgesic mechanism is the inhibition of activated microglia–derived tumor necrosis factor–alpha in the spinal dorsal horn. Scientific elucida­tion of the analgesic mechanisms of Japanese herbal medicines may lead to the establishment of new uses and indications for these treatments fused with modern medicine and may be a great help in the treatment of refractory neuropathic pain that is prone to becoming chronic pain.
著者
中西 美保 岸田 友紀 田上 真次 馬場 孝輔 萩原 圭祐
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.352-357, 2017 (Released:2018-02-07)
参考文献数
21

妄想型統合失調症の治療中に出現した,無為,自閉,倦怠感,抑うつ等の陰性症状に対して,加味逍遥散と補中益気湯が奏功した症例を経験した。陰性症状に対する治療は,薬物療法や心理社会的療法の有効性が示されつつあるが,これらの治療に抵抗性を示す症例も多い。統合失調症に対する漢方薬治療は,従来の陽性症状に対する補助的治療に留まらず,陰性症状にも幅広く有用な治療であると考えられた。
著者
有光 潤介 萩原 圭祐 大塚 静英 中西 美保 岸田 友紀 井上 隆弥 加藤 由紀子 大谷 安司 尾崎 和成 清水 健太郎 蔭山 充 西田 愼二
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.548-555, 2011 (Released:2011-10-21)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

サフランは,駆瘀血剤として使用される。瘀血は西洋医学的な病態で考えると,血液の粘稠度亢進と微小循環障害と解釈できる。今回我々は,サフランの臨床的な駆瘀血効果を観察し,血小板活性化の指標である,platelet factor4(PF-4)とbeta-thromboglobulin(β-TG)を瘀血のマーカーとして検討した。リウマチ膠原病アレルギー患者71人(女性66人,男性5人,平均年齢52.3 ± 16.1歳)にサフラン(300mg∼900mg)を投与し,78.7%(n=37/47)の自覚症状の改善を認めた。投与前後での血漿中PF-4,β-TGともそれぞれ有意な改善を認めた(PF-4:49.6 ± 29.8→24.0 ± 19.6,β-TG:117.5 ± 64.0→64.6 ± 47.1,paired t-test, p
著者
中西 美保 岸田 友紀 田上 真次 馬場 孝輔 萩原 圭祐
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.352-357, 2017

<p>妄想型統合失調症の治療中に出現した,無為,自閉,倦怠感,抑うつ等の陰性症状に対して,加味逍遥散と補中益気湯が奏功した症例を経験した。陰性症状に対する治療は,薬物療法や心理社会的療法の有効性が示されつつあるが,これらの治療に抵抗性を示す症例も多い。統合失調症に対する漢方薬治療は,従来の陽性症状に対する補助的治療に留まらず,陰性症状にも幅広く有用な治療であると考えられた。</p>
著者
宮田 妙子 長谷 一郎 舟尾 友晴 中西 美保 飯室 慎祐 狩谷 伸享 西川 精宣 浅田 章
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.14-17, 2008-01-25 (Released:2011-12-01)
参考文献数
13

フェニトインによると思われる薬剤性過敏症症候群の症例を経験したので報告する.60歳代の女性で,カルバマゼピンによる薬剤過敏症症候群の既往があった.三叉神経痛の治療のためにフェニトインを服用し,23日目に全身に皮疹が発現した.38度以上の発熱があり,トランスアミラーゼが上昇し,異型リンパ球が発現した.ヒトヘルペスウイルス-6に対する抗体価は明らかに上昇してはいなかった.フェニトインの中止後に,ステロイドを使用することなく,全身症状は改善した.フェニトインによる薬剤性過敏症症候群の軽症例と考えられた.