著者
中谷 晴昭
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.14-17, 2015-02-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
5
被引用文献数
1

日本の医学教育では, 欧米に比して, 学生の医学知識の面では決して劣ることはないものの, 臨床実習の時間と内容という面で不十分であることが指摘されている. 全国医学部長病院長会議では, CBTとOSCEからなる共用試験の資格化に取り組み, 全国統一基準でスチューデント・ドクターの認定を行おうとしている. これにより臨床実習に進む学生の質保証が行われ, 国民の理解を得たうえで, より充実した診療参加型臨床実習に実施することが可能となる. 日本の医師国家試験は問題数が多く, 受験生の負担も大きい. 今後, 医師国家試験が臨床実習の成果を判断するものになると共に, 将来的には各大学での客観性, 公平性の担保された卒業時OSCEの実施を条件として医師国家試験の軽減化も考慮されるべきであろう.