- 著者
-
中野 晃一
- 出版者
- 上智大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2002
1993年以降の政党政治の変動が地方分権改革の政治過程にどのような影響を与えたのかを探る観点から、以前の改革過程に比して、政策結果・政策過程・アクター・リソースに関して変化が見られたか否かに焦点を絞って研究を進めてきたが、平成14年度までに調査そのものは概ね完了し、平成15年度では、主として調査結果を英文論文の第としてまとめることに意を注いだ。研究計画の順調な進捗を受けて、平成16年度には、論文の最終的な国際学術誌・論集等への投稿(ないし寄稿)・出版を目的とした。そのため、補足的調査をし、論文の更なる推敲を行い最終稿をまとめることが本年度の研究活動の中心となった。従って、研究経費としては、研究補助・資料整理のための謝金、論文執筆のための図書・ソフトウェア・コンピュータ関連消耗品・文具等の物品費、地方分権改革関連資料についての補足調査を目的とした宮城県仙台市への国内旅費が主たるものとなった。本研究計画を締めくくる研究成果の発表としては、1990年代の日本における政党政治の変動(政権交代および連立政権)が、政策過程と政策そのものの変化に影響を与えた事例として、日本社会党と総評の役割に注目して、地方分権改革を(情報公開と立法府の行政府チェック機能強化とともに)考察した英文論文「‘Democratic Government' and the Left」をRikki Kersten・David Williams(編)、The Left in Japanese politics(Routledgecurzon/Leiden Series on Modern East Asian Politics & History)(Routledge,2005)に出版した。