著者
中野 珠実
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.19-26, 2013-04-30 (Released:2014-01-07)
参考文献数
18
被引用文献数
4

デフォルト・モード・ネットワークは,外的な処理を行っているときは活動が低下し,内的な処理を行っているときに活動増加を示す神経ネットワークである。筆者らは,映像観察時の瞬きに関連して,脳の中では,デフォルト・モード・ネットワークが一過性に賦活する一方,注意の神経ネットワークの活動が一過性に抑制されることを発見した。行動研究により,映像情報の暗黙の切れ目で,人々が一斉に瞬きをしていたことから,瞬きは連続した視覚情報の分節化と関係していることが推測される。このことから,外的に注意を向けている状態でも,瞬目に伴い,拮抗する神経ネットワークの状態を一過性に変動させることで,注意を内的に解除し,情報の分節化が行われていることが示唆される。この発見により,デフォルト・モード・ネットワークは,内的処理を担っているだけでなく,他の神経ネットワークと相互作用することで,積極的な認知処理機能を担っている可能性が考えられる。
著者
中野 珠実 阪田 篤哉 岸本 章宏
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.5-6, 2020-02-20

本稿では、人間の認知特性に基づいた映像のハイライトシーンの自動抽出の方法を新しく提案する。映像視聴時の人々の瞬きは、ハイライトシーンでは一斉に抑制され、出来事の分節で揃って発生するという特徴を示す。そこで、映像に対する瞬きの発生確率を多層1次元畳み込みニューラルネットワークに学習させ、その推定値が急峻に低下している箇所を同定することで、映像のハイライトシーンを自動的に抽出することができた。瞬き情報は外部から容易にセンシングできるため、この手法を使えば、より人間の情報処理スタイルにマッチした映像のハイライトシーンの自動抽出を手間のかかる作業なしに行うことが可能になる。
著者
中野 珠実
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
pp.1303si, (Released:2013-11-25)
参考文献数
18
被引用文献数
4

デフォルト・モード・ネットワークは,外的な処理を行っているときは活動が低下し,内的な処理を行っているときに活動増加を示す神経ネットワークである.筆者らは,映像観察時の瞬きに関連して,脳の中では,デフォルト・モード・ネットワークが一過性に賦活する一方,注意の神経ネットワークの活動が一過性に抑制されることを発見した.行動研究により,映像情報の暗黙の切れ目で,人々が一斉に瞬きをしていたことから,瞬きは連続した視覚情報の分節化と関係していることが推測される.このことから,外的に注意を向けている状態でも,瞬目に伴い,拮抗する神経ネットワークの状態を一過性に変動させることで,注意を内的に解除し,情報の分節化が行われていることが示唆される.この発見により,デフォルト・モード・ネットワークは,内的処理を担っているだけでなく,他の神経ネットワークと相互作用することで,積極的な認知処理機能を担っている可能性が考えられる.