著者
丸尾 いと
出版者
九州産業大学
雑誌
九州産業大学芸術学部研究報告 (ISSN:02867818)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.307-323, 2007

本論文は、十五年戦争に関わるものを撮影した代表的な写真家(山端庸介・土門拳・東松照明・江成常夫・土田ヒロミ)をとり上げ、その仕事を歴史の時間軸上で展開する試みである。まず第1章で'負の昭和'の措定と本論文で取り上げる五人の写真家を選んだ動機を述べる。次いで第2章では、五人の経歴と仕事をそれぞれ総括的に取り上げ、各人の概要を理解してもらう。第3章から第6章は、昭和史を四つに区切り、歴史上の時間軸に各作家の仕事(写真集)を時系列に並べて展開。そして終章では、'負の昭和'が五人の仕事を通じて十分に検証できることを提唱する。