- 著者
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丹比 邦保
- 出版者
- 日本草地学会
- 雑誌
- 日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.3, pp.133-145, 1966-11-30
10月下旬以降に播種したエンバクとイタリアンライグラスとの青刈法における合理的な利用法を確立するため,それらの収量推移と収量曲線について考察した。2種とも播種期が遅れると全般的に収量は低下したが,イタリアンライグラスの方がその度合いが大であった。青刈法における有効な刈取期は4月下旬から5月中旬であった。刈取りにあたっては刈取期間を原則として20〜40日とし,収量曲線の推定は最小自乗法によった。なお,yは3.3m^2当りの生草収量,xは各区の刈取開始日からのずれの日数とした。その結果,収量曲線の概要は次のようであった。エンバク10月下旬播種2回刈取り: 1番草は3月10日から3月30日の刈取りで収量曲線はy=0.73x+3.65(0≦x≦4,1x=5日),2番草は5月2日から5月26日の刈取りでy=-0.336x^2+2.234x+11.828(0≦x≦4,1x=6日)である。1回刈取り: 4月19日から5月19日の刈取りで収量曲線はy=-0.8x^2+4.14x+18.99(0≦x≦3,1x=10日)である。11月上旬播種2回刈取り: 1番草は3月31日から4月15日の刈取りで収量曲線はy=3.32x+4.92(0≦x≦3,1x=5日),2番草は5月3日から6月11日の刈取りでy=0.6x^2-3.72x+7.63(0≦x≦3,1x=13日)である。1回刈取り: 4月30日から5月20日の刈取りで収量曲線はy=1.25x+16.62(0≦x≦4,1x=5日)である。11月下旬播種刈取りは4月20日から5月20日の間であり,収量曲線はy=3.7x+10.75(0≦x≦3,1x=10日)である。2月播種刈取りは5月20日から6月9日の問であり,収量曲線はy=1.7x+7.9(0≦x≦2,1x=10日)である。イタリアンライグラス10月下旬播種3回刈取り: 1番草は3月25日から4月12日の刈取りで収量曲線はy=2.34x+6.14(0≦x≦3,1x=6日)である。2番草は5月18日から5月27日の刈取りでy=-1.25x^2+2.55x+9.7(0≦x≦3,1x=3日)である。3番草は6月15日から6月21日の刈取りでy=-0.45x+1.5(0≦x≦3,1x=2日)である。2回刈取り: 1番草は4月12日から5月18日の刈取りで収量曲線はy=-1.05x^2+5.93x+12.73(0≦x≦3,1x=12日)である。2番草は5月27日から6月14日の刈取りでy=-1.1x+6.1(0≦x≦3,1x=6日)である。11月上旬播種2回刈取り: 1番草は4月2日から4月22日の刈取りで収量曲線はy=-0.421x^2+3.534x+5.4(0≦x≦4,1x=5日)である。2番草は5月14日から6月7日の刈取りでy=-0.85x+8.52(0≦x≦4,1x=6日)である。1回刈取り: 刈取りは5月2日から5月22日の間であり,収量曲線はy=0.38x+17.32(0≦x≦4,1x=5日)である。11月下旬播種2回刈取り: 1番草は4月25日から5月15日の刈取りで収量曲線はy=2.05x+8.38(0≦x≦2,1x=10日)である。2番草は6月4日から6月24日の刈取りでy=-1.05x+4.75(0≦x≦2,1x=10日)である。1回刈取り: 刈取りは5月10日から5月30日の間であり,収量曲線はy=-0.293x^2+1.602x+11.154(0≦x≦4,1x=5・)である。2月播種2回刈取り: 1番草は5月20日から6月9日の刈取りで収量曲線はy=0.55x+6.05(0≦x≦2,1x=10日)である。2番草は6月15日から7月5日の刈取りでy=-0.65x+2.32(0≦x≦2,1x=10日)である。