著者
丹羽 健文 石橋 隆
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2015年年会
巻号頁・発行日
pp.58, 2015 (Released:2020-01-15)

鹿児島県奄美大島の大和鉱山で,本邦初産のポピー石(poppiite)が確認された.Vを含むパンペリー石族鉱物で,クトナホラ石とパイロクスマンガン石を主体とする鉱石を切る脈で産する.濃緑色を呈する長さ約0.3 mmの長柱状や繊維状の結晶集合体で,原田石とロスコー雲母を伴う.組成の実験式は,(Ca1.60Mn0.28Na0.11)Σ1.99(V0.72Fe0.14Mg0.11)Σ0.97(V1.99Al0.01)Σ2.00(Si3.02Ti0.01)Σ3.03O10.64(OH)3.36で,主要なX線回折値[d in Å (I)]は,3.820(75), 2.935(100), 2.756(60), 2.658(65),格子定数(単斜晶系)は,a=19.274(7), b= 6.052(2), c=8.883(2) Å, β= 97.34(3)°,V= 1027.7(7) Å3である.