著者
添田 直樹 久保 拓真 根本 幾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.367, pp.27-29, 2011-12-20

音楽聴取時における,注意の脳活動に対する影響を測定するために,音色(timbre)注意,旋律線(melody注意時のfMRIを撮像し,統計解析を行った.4種類の旋律,3種類の音色を組合せた第1フレーズ(non-manipulated)を作成した.それと比較するために第1フレーズに「変化をさせない」「旋律の1音のみを変化させる」「音色のみを変化させる」「音色と旋律の1音を変化させる」いずれかの操作をした第2フレーズ(manipulated)を続けて配置した.ただし,第2フレーズは第1フレーズより全音高くした.被験者にはランダムに配置した2フレーズ(第1フレーズ+第2フレーズ)を続けて聞かせ,2フレーズの間の違い(全音の違いは考慮しない)の有無を判断させた.コントロール刺激としてホワイトノイズを使用した.14人の被験者のグループ検定で,音色注意時,旋律線注意時で共通する賦活部位は,一次聴覚野を含む左右の上側頭回であった.旋律注意時のみに賦活する部位は,左の運動前野であった.音色注意時のみ賦活する部位は見られなかった.