著者
久保 敦士 一柳 保 國立 晃成 岡本 潤 加藤 正哉
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.514-521, 2022-06-20 (Released:2022-06-30)
参考文献数
19

背景:院外心停止(OHCA)の社会復帰率を改善させるため,わが国の蘇生ガイドラインでは,OHCAの胸骨圧迫率(CCF)80%以上を目指すことが示されている。目的と方法:搬送中のCPRが困難な場所における用手CPRと機械式CPRを比較し,その質を評価する。 消防学校の救急科学生を対象に,OHCA想定実習で実施した。結果:狭隘通路および階段におけるCCF 80%以上の割合は,機械式CPR群では40%(11/28)に達しているのに対し,用手CPR群では14%(4/28)であった。現場活動時間も機械式CPR群は用手CPR群と比べて短かった(p<0.05)。結論:搬送中CPRが困難な場所では,機械式CPRが目標値のCCFおよび現場活動時間の短縮に有用であることが示唆された。