著者
久保 敬雄 安藤 喜一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.231-237, 1989-11-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
13
被引用文献数
4 3

広食性昆虫ウリハムシモドキにシロツメクサ,セイヨウタンポポ,エゾノギシギシおよびカモガヤを与えて食物選択実験を行い,次の結果を得た。1) 幼虫・成虫は,ともに放された場所から任意の方向に移動し,食草に対して定位運動は示さなかった。2) ふ化幼虫は食草の種類にかかわらず,最初に到達したものに定着し摂食する傾向が強い。3) 2齢以後は発育が進むにつれて到達した食草が好適でない場合には,他の食草に移動するようになった。4) 3齢幼虫や成虫の食草選好度を食痕から判定すると,セイヨウタンポポ,シロツメクサ,エゾノギシギシの順となり,カモガヤは全く摂食されなかった。5) どの食草でもふ化から羽化まで発育できたが,選好度の高い食草で飼育したときほど,発育が早く,羽化率が高く,成虫の体重が重かった。