著者
木村 健智 上山 泰史 久保田 明人 藤森 雅博 高原 美規 秋山 征夫
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.55-58, 2014-04-15 (Released:2014-10-06)
参考文献数
20

Reed canarygrass (Phalaris arundinacea L.) has been recognized as a major invasive plant in the US in recent years. In Japan, the differences between the native and invasive genotypes are unclear. To identify these differences, chromosomal analysis using fluorescence in situ hybridization (FISH) with 5S/45S rDNA probes was carried out on 7 populations of putative native Japanese P. arundinacea and 3 exotic P. arundinacea. The results showed that all populations were tetraploids (2n=4x=28). The 45S rDNA were mapped on 4 sites corresponding with the ploidy level in all populations. On the other hand, the numbers of 5S rDNA sites differed among the populations. Moreover, the 5S rDNA sites differed among individuals even within the same populations. Thus, the chromosomal characteristics could not ensure that the putative native Japanese P. arundinacea are the native.
著者
米丸 淳一 上山 泰史 久保田 明人
出版者
東北農業研究センター
雑誌
東北農業研究センター研究報告 (ISSN:13473379)
巻号頁・発行日
no.113, pp.17-28, 2011-03
被引用文献数
1

「東北1号」は、イタリアンライグラスの優れた消化性及び飼料特性とメドウフェスクの優れた越冬性の両形質を付与した採草用品種を目標に、海外で育成されたフェストロリウム品種(x Festulolium Aschers. et Graebn) の後代から選抜育成した国内初のフェストロリウム品種である。東北農業研究センターにおいて育成され、2009年7月22日に品種登録申請を行った。年間乾物収量は、我が国唯一の流通品種である「バーフェスト」に比べて3年間6場所の試験平均で約10%多収である。播種翌年が最も多収で、年次経過とともに収量は低下するが、「バーフェスト」に比べてその程度は小さい。夏期が高温となる地域では利用2年目の越夏後の衰退が著しい傾向がみられるが、それ以外の地域では3年を経過しても100kg/a程度の収量が期待できる。出穂始は「バーフェスト」と同時期である。高い出穂期草丈、低い無芒個体率、及び高い根の蛍光反応率など、イタリアンライグラスに類似した表現型を示す。北東北における越冬性及び雪腐病抵抗性は「バーフェスト」よりもやや劣るが、低標高地や南東北以南の中標高以下では越冬に支障はない。耐湿性、冠さび病及び葉腐病抵抗性は「バーフェスト」よりも優れる。本品種は、北東北の低標高、南東北の太平洋側及び、中標高地域、関東東山地域の中高標高地(概ね500m以上)の転作田や飼料畑における採草用草種としての普及が見込まれる。