著者
鈴木 友里亜 久光 一誠 伊澤 千尋 柴田 雅史
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.219-224, 2021-08-20 (Released:2021-08-27)
参考文献数
10

保湿剤水溶液の感触評価方法として,官能評価用語を用いない群分類法を考案し,その群分類結果と物性測定による群分類との対応を調べた。大学生を評価者として,10種の保湿剤間でその感触の差異を識別する三点識別比較試験を行った。二種類の保湿剤の感触が類似していれば識別しにくくなり,正答率が低くなることから,正答率によって保湿剤間の類似性が定量化されると考えられる。そこで主座標分析を用いて識別正答率の高低に基づく群分類を行ったところ,保湿剤は感触の類似性の高い三つの群といずれの群にも含まれない2種に分類された。各保湿剤水溶液について,肌に塗布した際の摩擦抵抗値・引き離し応力の測定と法線応力測定を行い,その大きさならびに経時変化の特徴に基づいて群分類を試みたところ,上記の感触評価による分類と対応する群分類が可能であった。