- 著者
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春名 攻
久米 達也
久保 誠一郎
桜井 正博
- 出版者
- Japan Society of Civil Engineers
- 雑誌
- 建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, pp.289-300, 2006
近年、地方都市中心市街地の衰退・空洞化が顕著になり、問題はより深刻化している。このため、中心市街地の再開発事業に関しても消費者ニーズや時代の流れに沿った開発の必要性が迫られている。そこで、効率的・効果的な中心市街地活性化をめざし、変化する時代に対応し魅力ある都市を創出するために、市街地整備と商業活性化対策の一体的事業整備を行うことによって、個別ではできない新都市機能の導入や既存都市機能の更新、レベルの高いサービス環境等を実現する方法が、大変有効であると考えた。<BR>本研究では中心市街地において、他都市にはない魅力的な雰囲気を持った都市整備事業とするために、当該地区に公園と商業施設を組み合わせた複合商業公園整備を提案し、一体的事業計画案を検討した。また、計画案の実現化方策として、商業集積地区において個別商店レベルでは解決が困難な問題への対応策として、個別商店の組織化・協調体制を組み込んだ運営システムの検討を行った。そして、一体的事業整備について、数学的手法を用いたモデルの定式化・構築を行い、中心市街地活性化をめざした土地利用・施設整備事業構想に関する方法論を論じた。さらに、一体的事業整備を推進させる方法として、土地の取得から整備・運営に至るまでに中間法人製度を用い、地域住民を主体とした新しいマネジメントシステムについて併せて検討を行った。