著者
九津見 明
出版者
一般社団法人 日本メディア英語学会
雑誌
時事英語学研究 (ISSN:21861420)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.26, pp.91-102, 1987

本稿は、Newsweek誌における激動のフィリヒ.ン情勢を伝える記事を、メタファの観点から分析したものである。<BR>ニューズウィー一ク誌は、前大統領のF. Marcos夫妻、亡きB. Aquino氏、また当時、一介の主婦であった現大統領C.Aquino氏をはじめ、フィリヒ.ンの政治改革1において、国内外で主役となった多くの人物にインタビューをした。また、奥地深くに潜入しているNPAゲリラや、それに対抗する特殊部隊にも記者を送り活濃な取材をした。<BR>これらの記事は、ニューズウィーク誌はもちろんのこと、それらの人々そしてフィリヒ.ン政府やアメリカ政府の現状認識を興味深く伝えるものであるが、それを生き生きとさせているものこそメタファである。メタファは舞台の主役達が自らの立場をアピールし、どのように味方を結集し、敵と戦うか、そして報道する側は、いかに適切にそれらを世界に伝えるかの大きな武器となっている。