著者
今村 律子 乾 眞寛 徳島 了 花沢 明俊 坂元 瑞貴 山本 勝昭 磯貝 浩久
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.105-116, 2014-04-25 (Released:2017-09-02)

本研究では,サッカー選手を対象とし,有効視野の範囲110°と生理的視野180°の広範囲で視覚刺激が呈示された場合に,視覚情報の獲得がどのように行われているのかを注視点距離から検討することを目的とした.対象者から3mの半円上にモニターを設置し,正面,有効視野110°位置,生理的視野180°の3つの視覚刺激条件において,指押し課題と全身反応課題の2つの反応形態の測定を実施した.その結果,呈示条件における注視点距離に差は見られなかった.しかし,反応時間と注視点距離の関係を検討した結果,反応形態において,全身反応課題では,注視点が長いと反応時間が速いという関連が見られた.また,指導者によるサッカー選手としてのパフォーマンス評価の順位は,全身反応課題においてすべての条件に注視点距離と有意な相関が見られたため,注視点距離が長い選手は「周りが良く見えている選手」として評価されている可能性があることが示唆された.