著者
川村 力 花山 耕三 永田 雅章 亀井 敦行
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.416-420, 1988-05-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
20

視床出血後hyperkinésie volitionnelle (HV)を呈しクロナゼパムが著効した3症例を経験した. 視床出血後のHVの報告は本邦では他に1例のみと少ないが, 全例出血後ある期間を経てHVが出現している. 同様のことがpalatal myoclonusでもしられ, 一つの仮説として血管障害後のdentatorubroolivary系におけるdenervation supersensitivityが想定されている. そこで視床出血後, 視床腹中間核に経時的にdenervation supersensitivityが生じ, HVを発現させたものと考えられた.