著者
飯島 道弘 河田 麻衣子 佐藤 憂菜 プア ミンリー 亀山 雅之
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.276-287, 2019-07-25 (Released:2019-07-25)
参考文献数
36
被引用文献数
1

カルボキシル基をα末端に有するヘテロテレケリックポリエチレングリコール(ヘテロPEG)の精密合成法を検討した.カルボキシル基とヒドロキシ基を分子内に有するヒドロキシピバル酸を出発物質として用いた.カリウムナフタレン溶液にヒドロキシピバル酸溶液を滴下することで生成するカルボン酸塩を微分散させ.エチレンオキシドをアニオン開環重合することにより,定量的にヘテロPEGを合成できることを明らかにした.また,ω末端に重合基を導入したマクロモノマーの定量的な合成にも成功した.さらに,この合成法を利用し,α末端に一つのカルボキシル基を有し,二つのPEG鎖有する分岐型ヘテロPEGの合成方法も確立した.このようなα末端にカルボキシル基を有するヘテロPEGの定量的合成法の確立は,高機能性材料を創製するためにも有用である.
著者
西井 圭 亀山 雅之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.504-507, 2014-10-20 (Released:2017-06-16)

金属銀(Ag)は古代から栄光や富と分かちがたく結びついてきた金属である。また,銀イオン(Ag^+)としては,最近,身近なところでたくさん見られるようになった除菌・消臭グッズがある。一方,ホスト-ゲスト化学の分野では,ねらいの分子を選択的に内包,あるいは内包分子を外部刺激によって放出するシステムの開発にAg^+が利用されている。本稿では,銀の用途や性質,さらには銀化合物の触媒作用について化学的な視点から紹介する。