著者
亀岡 聖朗
出版者
桐生短期大学
雑誌
桐生短期大学紀要 (ISSN:13424076)
巻号頁・発行日
no.18, pp.69-78, 2007

本研究では,学習が食に対する態度に及ぼす影響を行動的な側面(食行動)と意識的な側面(食意識)から捉え,学生の入学前と現在の態度の個人内差異を検討することにより,その変化と変化の要因としての学習効果について考察した.栄養士養成課程に所属する73名の学生に調査を行った結果,食行動の面では摂取カロリー(エネルギー)の制限,食事のバランスへの配慮,食材の吟味の点で,入学前よりも現在の方がより注意を払っているという結果が示され,学習の成果として捉えることができる可能性が示唆された.また,食意識(食に対する嗜好)は入学前後でさほど変化が認められなかった.この原因として,今回の調査対象者が食物で感情をコントロールする傾向が低いためではないか,あるいは食に対する嗜好が学習による影響を受けにくいためではないかということが考察された.