著者
吉田 久良 亀川 克美 有田 静児
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1977, no.3, pp.387-390, 1977
被引用文献数
14

活性炭によるニクロム酸カリウム水溶液(6価クロムの濃度110ppm)からの6価クロムの吸着について,pHの影響,活性炭に吸着されたクロムのNaOHまたはHCl水溶液による溶離などについて検討した結果,つぎの結論が得られた,(1)6価クロムはpH4~6.5で活性炭に容易に吸着される。(2)6緬ク揖ムは活性炭にHCrOぺおよびCrOのような6価クロムの形で吸着される。(3)酸性側では6緬クロムは活性炭により容易に3価クロムに還元される。(4)3価クロム(クロム(III)イオン)は活性炭にほとんど吸着されない。(5)6緬クロムを吸着した活性炭を0.1N以上のNaOH水溶液で処理すると,吸着されたク律ムの100%が溶出し,溶出したクロムのほとんどすべては6価クロムであった。(6)6価クロムを吸着した活性炭を1NHClで処理すると,吸着されたクロムの90%が溶出し,溶出したクロムのほとんどすべては3価クロムに還元されていた。