- 著者
-
亀田 秀子
相良 順子
- 出版者
- 日本カウンセリング学会
- 雑誌
- カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.4, pp.277-287, 2011 (Released:2016-03-12)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
-
3
本研究の目的は,過去のいじめられた体験の体験者の語りから,自己成長感をもたらす要因を検討することである。専門学校生,短大生,大学生の男女17名を対象に半構造化面接を実施した。結果は,次の通りである。自己成長感をもたらす要因として,1)学校・家庭での話しやすい関係の構築と自己開示があったこと,2)いじめられた辛さをわかってくれる人の存在,信頼のおける大人の存在,3)家族関係と友人関係の良好さ,4)ソーシャル・サポートが得られたこと,5)積極的な対処法を取ったことが示唆された。また,いじめられた体験から自己成長感に至るプロセスにおいて,自己開示,ソーシャル・サポート,重要な他者の存在,肯定的意味づけ,そしてポジティブ思考などが,自己成長感に至る重要な促進要因であることが示唆された。