著者
吉井 美穂 八塚 美樹 安田 智美 木本 久子 亀谷 由美 田澤 賢次
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.103-107, 2004-09
被引用文献数
4

私たちは,了解の得られた看護学科4年次生60名を対象にSD法(形容詞23対)を用いて成人看護学(急性期)実習前後の手術に関するイメージ調査をおこなった.実習前の手術に関するイメージは,「清潔な」「特色のある」「激しい」「固い」「はりつめた感じ」「男性的な」「ちから強い」「変化に富んだ」「特色のある」「テンポの速い」「せわしない」「動的」「クールな」「不安定な」であった.実習前に比べて,「楽しみである-憂うつである」「好き-嫌い」「明るい-暗い」「親しみやすい-親しみにくい」「のどかな-緊迫した」「激しい-穏やかな」「はりつめた-ゆったりした」「生き生きした-生気のない」「和やかな-とげとげした」の9項目で差が見られた.イメージは,ある対象に対するその人の過去経験や感情の評価などの心的過程のはたらきの総体を反映し,否定的なイメージは,消極的や無気力な行動を生み,肯定的なイメージは,積極的行動を生み出すと考えられる.今回調査した結果,手術に関する肯定的なイメージへ変化しており,学生の実習態度の向上に少なからず効果的に作用するものと考えられた.