著者
前川 要 五十川 伸也 千田 嘉博 亀井 明徳 天野 哲也 狭川 真一
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

緊急発掘に伴う中世遺跡の発掘調査資料は膨大である。まず、土器・陶磁器を中心とした詳細な編年体系ができつっある。時間軸はおおよそ、最低50年単位で理解できうる状況になってきている。また、一方では遺跡整備に伴い、全国で城館・城下町遺跡・港湾都市遺跡の資料が急激に増加してきている。さらに、加えて高速道路など大型開発に伴い広域を空間的に認識できる遺跡も増加して、中世村落構造を認識できるようになってきている。しかしながら、研究はそれぞれが分断されており、様式論的に同時期の様相を把握する機会は従来全く無かった。ここで総合的研究を実施することにより、日本史側から投げかけられた問題提起を受け止め、民衆史のみならず、海運史、北方史、周辺民族史などに関連して考古学から歴史像の再構築を行うことが可能となる。以上のような現状において本課題は、研究の発展段階の観点からみて成長期にあり、総合研究を実施することにより研究の一層の発展が期待で切る領域と予想されるため企画調査を実施することを目的とした。特に、2回の会議を通して次の3項目について検討した。1.特定領域として研究申請する意義についてさらに申請が可能か否か、2.研究項目が適切か否か、3.追加あるいは削除する項目があるか否か(1)平成14年6月15・16日:総括班が東京御茶ノ水で集まり、研究領域の目的・意義、研究項目の妥当性について検討した。(2)平成14年9月29・30日頃:国立歴史民俗博物館にて全体会議の招集。共同研究者から、意見聴取。(3)平成14年10月初旬頃:特定領域研究へ申請のため、総括班が東京近郊で集まり書類作成のための意見聴取を行った。(4)同下旬頃:申請書類提出のため平成15年度発足特定領域申請書および特定領域申請書概要の印刷準備。(5)平成14年11月頃:特定領域研究(A)「中世考古学の総合的研究」として申請書類を提出した。